らき王が王になるまで~その参~

風邪を引いてしまい、鼻がズピーズピーと鳴る中おっとりとした下僕(女性警察官)は「花粉症かな、うふふ」と、言っていた。(花粉症ってなんだろう)これも後で知った話だが、らき王を警察署に連れていった高校生は「保健所に行かされる」と知りツイッターで「飼い主」と「里親」がいないかを訴え、拡散希望で呟いてくれたようだ。それを見つけた人間が次々と拡散してくれた。1週間と6日が過ぎた頃風邪も悪化し、首輪をくれた元...続きを読む >

らき王が王になるまで~その弐~

らき王はこのまま飼い主が現れなかったら「保健所」に行かされるのだそうだ高校生が申し訳のない顔をしている保健所は怖いところなのだろうか・・よく分からなかったが久しぶりに警察官という下僕に優しくされてゴロゴロと喉を鳴らした夜は音のない真っ暗な部屋の中でケージと呼ばれる小屋に独り。たまにコツンコツンという人間の足音が響く。夜がとても長く感じた。不安で寂しくて仕方がなかった。だから、今でも人のいない真っ暗...続きを読む >

らき王が王になるまで~その壱~

らき王も産まれながらに王だった訳ではない今日は「らき王が王になるまで~その壱~」だ記憶を遡ること8か月前ある日、気がつくと公園にいたお母さんも兄弟も誰も居なくなっていたいつか迎えにきてくれるはずまたお母さんに甘えたり兄弟とプロレスをしたり鬼ごっこをしたり首輪をくれた下僕に甘えたりもとの生活に戻れるはずそう思ったが次の日もその次の日も誰も迎えに来なかったお腹が空いて喉も乾いて雨で体が冷たくなった何日...続きを読む >